バズリクソンズ定番人気アイテム
1930年代後半に、いわゆる「ファーストモデル」と呼ばれる片胸ポケット仕立てのデニムジャケットが誕生し、多くの労働者たちの間で人気のワークウェアとなりました。
1940年代、第2次世界大戦がはじまると米国国内も急激な物資不足に見舞われた。1942年1月、フランクリン・ルーズベルト大統領は戦時生産本部(War Production Board)を発足させ、軍需目的の資材・物資の調達を最優先させ、優先度の低い民間市場向け製品の生産を制限、禁止する大統領命令(いわゆる物資統制令)を下しました。
ワークウェア、ジーンズなどもその例外に漏れず、資源節約の観点から仕様・資材の簡素化を戦時生産本部より迫られ、生地の変更、各部ボタン・リベットの簡略化や省略、各部ディテイルの省略や廃止などの制約を受けることとなりました。
そして誕生したのが、「大戦モデル」と呼ばれるデニムジャケットとデニムパンツ。歴史的に見れば、物資節約のためにスペックダウン(仕様劣化)を迫られたモデルと言えますが、短い期間に作られたという希少性、独特のディテイル、当時熟練度の低い労働者によって作られていたことによる品質のバラツキがあることから、のちのヴィンテージ・デニム市場では人気を博すこととなり、マニアの間ではコレクタブルなアイテムとなっています。
このような米国の戦争の歴史とも密接に関わりを持ちながら誕生した「大戦モデル」を、本格的ミリタリークロージングブランドであるバズリクソンズが今季復刻再現いたしました。
注目のポイント
- ボタン、リベット
まず目に付くのは、コインポケット隅のリベットパーツの省略。ボタンパーツ自体も、ブランド名の刻印入り専用品から月桂樹装飾の付く汎用ドーナツボタンへと変更。
- スレーキ(ポケット裏地)
スレーキは、オリーブ色の耳付きヘリンボーンツイル素材。戦時下使われていた軍用ユニフォーム生地の残布を流用した仕立て。
- デニム生地
生地はザラ付き感のある13.6オンス右綾織りセルビッジデニム。ワークウェアとしての動きやすさ、耐久性、生産効率といった相反する3つの観点から見て、ちょうど良いバランスの取れた生地の厚さです。
- 各部ディテイル
パッチは鹿革製。1930年代のデニムパンツに見られるシンチバックベルト、クロッチリベット(股下リベット)は省略されています。ヒップポケット隅のカンヌキ留め(バータック)も、本縫いへと簡略化。バックヨーク部分も左右ぴったりと重ならず、段差が出来ているのも当時の仕立てをそのまま再現。また、本復刻製品では見ることが出来ないディテイルですが、当時のヴィンテージ実物ではヒップポケットの弓型ステッチは糸を節約するためにペンキで描かれていました。
- フラッシャー
フラッシャーの“FOR THE DURATION”とは「戦争の期間中」という意味で、その間は物資統制による仕様変更を実施している旨が記されている。
またフラッシャに描かれる「Eマーク」は“Excellent”(優秀)を意味し、米国政府に優秀な軍需品を納入した企業に送られるペナント。大戦当時、バズリクソンズがフライトジャケットのコントラクター(納入業者)を務め、Eペナントを受賞したという夢のフラッシャーを実現。
- シルエット
股上は深め。シルエットは太め、裾にかけてほとんどテーパードしないストレート。レングス(股下)は、87㎝前後。
Fabric : 13.6oz SELVEDGE DENIM/Cotton 100% (pure indigo dyed) one washed
Made in JAPAN(日本製)